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数次相続のお話

以前「相続人になるはずの人が先に亡くなっていたら?」という記事の中で数次相続や再転相続については別の機会に記事を書くと書いていましたが今回は数次相続について書いてみたいと思います。

今回の相続自体を見れば変わっているところがなくても前の相続について一定の要件を満たすと数次相続となるので相続の1ケースとしての細かい話になります。

数次相続というのは相続について手続きをしない間に次の相続が始まった場合を言います。

はじめの相続については相続を承認又は限定承認しているのが特徴です。

はじめの相続について手続きが終わっているなら今回の相続の前の相続を取り上げる必要はそれほどないため単に相続が数回生じているだけということになります。

ところがはじめの相続について承認又は限定承認があったのに手続きをしないうちに次の相続が発生すると一部の例外を除いて前回の相続の手続きをしないまま今回の相続手続きをするわけには行きません。

前回の相続手続きをして権利や義務を今回の被相続人に移しその後今回の相続人の相続手続きをすることになります。

具体例としておじいさん→父親→子供の例で解説します。

数次相続はおじいさんが亡くなって、おじいさんの相続についてお父さんが相続の承認又は限定承認をしたけれども相続手続きをしないうちにお父さんについて相続が発生した場合です。

言い方を換えるとお父さんがおじいさんの相続について相続を承認又は限定承認したけれども相続手続きをしないまま亡くなってしまった場合です。

この場合子供さんが相続するにはおじいさんの権利義務をお父さんに一旦移す手続きをしてお父さんから相続するというようにしなければなりません。

一部例外と書いたのは不動産の登記手続きの場合中間の相続が単独の場合この例で言えばお父さんが単独で相続している場合はおじいさんから直接子供さんに相続登記を入れることができます。

中間が単独でない場合というのはお父さんに兄弟がいて兄弟で共同相続したような場合です。

この場合は原則どおりお父さんの相続分を一旦登記した上で子供に移転しなければなりません。

具体例は直系の例で説明していますが相続人であれば直系でなくても兄弟姉妹や配偶者からの相続でも同様です。

説明のために単純な例を用いましたが数次相続は一回とは限りませんし相続人も一人とは限りません。

数人兄弟で数次相続が数回生じた場合を考えればはじめの方の相続の関係者を特定するだけでも大変なのがおわかりいただけると思います。

相続手続きを放置してしまいその後相続が何度か発生し現在の権利者が誰なのかわからなくなっている財産というものがあります。

特に不動産では問題が深刻です。

そのため相続登記を義務化しようという話が出ているのです。

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