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テロに備え一部の人が注射可能に

医療行為を行うのは主に医者です。

一部の医療行為は看護師にも認められています。

それ以外の人が医療行為を行うと医師法に違反します。

今回厚生労働省が化学テロが起こることに備え消防、警察自衛隊などの専門部隊が解毒剤を自動注射器で注射できるようにするという方針を決めました。

大きな法改正というより運用の仕方や解釈の仕方を固め、現行法での運用でも医師法に違反しないとの見解を示したことになります。

ただし細かい検討に入った段階で法改正の可能性もあります。

東京オリンピック、パラリンピック時にテロが起こる可能性を想定しているようで年明けにも消防隊員らに研修を行うことになります。

これまでも医師や看護師でない人間が医療行為を行えば違法でしたが、このような違法性のある行為でも自分や他人の生命、身体自由又は財産に対する現在の危難を避けるためやむを得ずにした行為はその行為によって生じた害が避けようとした害を超えなかった場合に緊急避難として違法性が阻却されることはありました。

刑法では違法性のある行為でも正当防衛や緊急避難、正当行為については違法性が阻却され犯罪が成立しないことになる事由が定められているのです。

ですからある程度医療行為として相当な方法であれば目の前の病人やけが人を助けようと医療行為に当たる行為をしても違法性が阻却される可能性はあったのです。

今回解毒剤の自動注射器での注射については警察、消防、自衛隊医師法に違反しないという公的な見解が出たことになります。

これから注射を打つための細かい条件や手順、研修方法などが詰められ運用されていくことになります。

より助かる可能性は出てきますが医師や看護師でない人が対応しなければならない事態が想定される世の中になってきているということでもあります。

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