大雨の影響により熱海で大規模な土石流が発生しました。
原因の詳細な分析はこれからになりますが、静岡県の発表によれば現場付近の盛土が崩れた可能性があるそうです。
日本経済新聞社が航空写真を確認したところ、2000年以降に現場付近の森林が伐採され造成が進んでいるとのことです。
木の種類によって量は異なるのですが、木が生えていると土に水が浸透しても木の根っこには一定の保水力があります。
その木が伐採されていると下流に水が流れるスピードも早くなります。
更に斜面を造成したり、建築物を建てる場合、大きく盛土と切土という2つの方法があります。
盛土は土砂などを入れて斜面を平らに近くする方法です。
切土は斜面を切り崩して平らに近い状態にする方法です。
今回の土石気流の現場付近では盛土がなされ、これが流れ出した可能性があるのです。
これまでも大雨などがあったはずなのに、なぜ急に今になってと思う方もいらっしゃると思います。
これまでと異なり、耐えきれない程大雨が降ったという可能性も勿論ありますが、今回のように比較的最近になって造成された場所ですと、これまでと地形が変わっていて、それが原因になっているということもあるようです。
大阪市の西成区でも基礎部分が崩落し住宅が崩れました。
こちらは1960年代に建てられたもののようですので、最近造成されたわけではありません。
熱海とは崩落のメカニズムは異なると思います。
ただ盛土された場所というのは、自然災害に弱いと言われていますので、今回と同じように比較的最近造成された場所は注意が必要です。
注意するのに大きく2つのポイントがあります。
まずは歴史的に造成などがあった場所かどうかです。
自分のいる場所だけでなく、斜面上部にも注意しましょう。
もう1つは最近になって、普段水が流れていない所から水が吹き出しているですとか、ミシミシ異音が聞こえる、あるいは土埃のような匂いがするなどという崩落の徴候があるかどうかです。
このようなことに注意して早めに避難するかどうかを判断しましょう。