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あしたのためにその1

兵庫県内の生活保護を受給している受給者24人が、生活保護の基準額が引き下げられたのは生存権を保証する憲法第25条に違反するとして国を訴えていた事件の判決が神戸地方裁判所でありました。

裁判所は原告の請求を棄却しました。

憲法第25条についてはプログラム規定であるという考え方もあるので、憲法第25条がどこまで具体的な内容を保障したものかという憲法上の議論もありますが、この訴訟のポイントとしては生活保護の絶対的な支給額が低いとして争っているわけではないということです。

既に支給されていた額があって、それよりも低く変更されたということです。

制度後退論という議論があり、一旦法律で定めた支給額を国が勝手に引き下げるのは不当だという考え方です。

しかしいくら支給するかというのは財源を伴うので、行政側の裁量権の範囲が広く、行政の判断が優先されます。

そのため司法権である裁判所は簡単にには違憲・違法だということは言いにくいわけです。

司法権から行政権への干渉になるからです。

今回もこの流れに沿った判決で、明らかに不当だと言えるような額に変更されたのでなければ支給額が引き下げられたとしても違憲・違法という判決は出しにくいわけです。

ただし、法的に争って出される判決は、国の財政状態や社会情勢の変化などによっても変わってくるため、訴訟を起こすことは決して無駄ではありませんし、訴訟で救済されなくても、政策的に制度変更される可能性へとつながっていきます。

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