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ヘイトスピーチ条例に最高裁判決

今だにヘイトスピーチが行われることがあります。

ヘイトスピーチとは人の属性を理由に個人や集団を攻撃する言動を言います。

属性については国籍や人種、宗教など様々な要因があります。

憎悪感情や差別表現を伴うことが多いです。

このようなヘイトスピーチに対処するため自治体で条例が制定されるところも出てきています。

大阪市では全国で初めてヘイトスピーチ条例が制定されていました。

条例の内容としては有識者による審査会でヘイトスピーチと認定されると、表現者の団体名や氏名と表現内容を公表するという措置が定められています。

この条例について大阪市内の8人が、表現の自由を萎縮させるとして起こしていた訴訟について最高裁判所の判決がありました。

結論としては合憲と判断されました。

最高裁は大阪市のヘイトスピーチ条例による表現の自由に対する制限は必要やむを得ない限度にとどまるものであるとしています。

原告側はヘイトスピーチ条例により具体的な制約を受けてその処分を争っているわけではなく、地方自治体の住民として大阪市の責任を追求するという方法を選択しています。

この訴訟ではいわゆる客観訴訟といわれるもののうち住民訴訟という訴訟形式を選択しています。

大阪市がヘイトスピーチ条例に支出した経費が違法な支出だという争い方をするものです。

表現の自由に対する制限を争うのに住民訴訟を選択したのが得策だったかは少々疑問が残ります。

司法が踏み込みやすい精神的自由について争うのに、司法が踏み込みにくい税金の使いみちという行政裁量を争う訴訟形式を選択しているからです。

弁護側としては原告の希望を叶えられる方法をひねり出したということかもしれませんが、費用の問題としてしまうと、裁判所はよほどおかしな使いみちならともかく、行政の支出が違法だとはなかなか言いにくいのではないかと思います。

他の訴訟形式であれば勝てたかというとそれも疑問ですが、なぜ住民訴訟を選択したのか知りたいところです。

マスコミには勝ちに行った訴訟なのか、訴えることに意味があった訴訟なのかを取材によって明らかにしてほしいと思います。

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