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業界を診るドクターの必要性

製薬大手の日医工が事業再生ADRの申請をしました。

これは事業が破綻状態ではあるけれども、破産のように精算型の手続きではなく、再建型の手続きを選択し、更にそれが裁判外での紛争解決(ADR)を望んでいるということになります。

裁判外なので私的整理の一種です。

私的というと好きに手続きが進められそうなイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。

当然法的な制約は出てきますが、公的な手続きでない分、柔軟な解決も期待できるようになります。

今回の申請は海外子会社の医薬品承認が遅れ、損失が出た事により財務内容が悪化したからという報道もあります。

それも1つの要因だと思いますが、日本国内でのジェネリック薬の製造工程に問題があり、行政処分を受けていたことも要因だと思います。

本業が滞れば、新製品の開発も上手く進められなくなります。

日医工だけでなくジェネリック薬の製造メーカーが安定した製品を供給できていないため、医薬業界も混乱しています。

調剤薬局などでも薬の確保に苦労しているのです。

病気の人は薬を買わざるをえないので製品自体のニーズは高いのです。

そのニーズの高さに見合った事業体制を確立できなければ、組織が自壊してしまいます。

そのため、このニュースは日医工だけの問題にとどまらず、医薬業界が抱える問題も背景にあると思いますので、国は本当に自由競争に任せるだけで良い問題なのか、改めて検討すべきなのだと思います。

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