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仏の裁判も三度

長崎県にある観音寺から10年前に仏像が盗まれました。

盗んだのは韓国人グループで、既に韓国(大韓民国)で逮捕されています。

一方、仏像は事件後、韓国政府が保管していました。

この仏像について、韓国の浮石寺が、14世紀に倭寇により寺から略奪されたものだとして、韓国の裁判所で所有権に基づく返還を請求していました。

第1審は浮石寺の主張を認め韓国政府に引き渡しを命じました。

これについて韓国政府が控訴し、控訴審判決では、第1審判決を取り消しました。

妥当な判決ではないかと思います。

このところ日韓関係の訴訟では、徴用工の問題など、被害感情は分からないではないのですが、法的にはかなり無理のある判決が出ています。

これに対し、仏像に対する控訴審判決は、現在の韓国政府の意向が影響しているかどうかはわかりませんが、穏当なものだと思います。

韓国の法律に詳しくないため、詳細の検討は控えますが、仮に日本の法律を適用するなら、元々韓国のお寺の仏像だったとしても、日本の観音寺側の主張としては、即時取得や、時効取得、占有権侵害など、浮石寺の主張を覆す主張が複数考えられます。

韓国の法律も日本の法律と似たところがありますので、似たような主張が可能なのではないかと思います。

それを考えると、浮石寺の主張を認めるには、法解釈以上の政治的な判断が働かない限り、無理があるように思います。

ただ、浮石寺側は、日本の最高裁判所にあたる大法院に上告する方針のようです。

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