カフェインの効用が見直されています。
1つはなるべく摂らないようにしようという流れで、もう1つは上手く活用しようという流れです。
まず、摂らないようにしようという流れは、有害なのではないかというものです。
これは、一部のエナジードリンクを立て続けに数本飲んで、死亡したケースがあるためです。
対策としては、カフェインの入ったものをなるべく摂らないようにするなど、飲み物の場合なら、カフェインの入っていないノンカフェインのものを選ぶようにするという方法があります。
ノンカフェインには、元々麦茶などのように全く入っていないものと、元々カフェインが入っているけれども、加工によりカフェインを抜いたデカフェやカフェインレスと呼ばれる飲み物があります。
正確には、デカフェやカフェインレスの飲み物には、少量ですがカフェインが入っている場合があるので、ノンカフェインに分類しないこともあります。
このデカフェ(カフェインレス)というのが曲者で、下手な作り方をするとカフェインより有害なのではないかというものが出来てしまいます。
デカフェ製品の加工には特別な技術が必要なのです。
海外製は駄目で、日本製なら安全というわけではないのですが、デカフェ(カフェインレス)の飲み物については、日本製を選んだ方が無難です。
次に、カフェインを上手く活用しようという流れについて書きます。
こちらは、眠気を覚ましたり、体力活性のための活用です。
眠いので眠気を覚ます場合や、眠たくならないように摂取するというものです。
ただし、眠気についてのカフェインの効用は、眠くなりにくいだけで、寝たことにはならないということが重要です。
人間が起きて活動していると、体内でアデノシンという物質が出てきます。
アデノシンがアデノシン受容体と結合すると、ヒスタミンという神経伝達物質の放出が抑制され、体を休めるモードになっていきます。
ヒスタミンには覚醒作用があります。
カフェインはアデノシンの代わりに、アデノシン受容体に結合して、ヒスタミンが抑制されるなくなるようになるため、眠くなりにくくなるのです。
最近、眠くなった場合に、カフェインナップが勧められているのを見聞きする機会が増えています。
カフェインナップとは、カフェインは飲んでから30分後ぐらいで効き始めるので、カフフェインの入った飲み物を飲んで昼寝し、カフェインが効き始める30分後ぐらいに起きるという昼寝の方法です。
昼寝の効用とともに紹介されるので、弊害が伝えられることが少ないように思います。
しかし、睡眠には、寝ている間に脳内の情報の整理や体の修復を行うという重要な働きがあります。
カフェインを摂って、眠気が覚めても、これらが行われ、必要なくなるわけではありません。
人間がメインテナンスをしないまま、動き続けることが危険なのはおわかりいただけると思います。
カフェインナップだけでは、一時的に眠気が覚めても、睡眠を取ったことにはならないのです。
カフェインナップをした後は、夜でも良いので、必ず睡眠をきちんと取るようにしましょう。
最後に、体力の活性化についてですが、こちらは持久力を増したり、注意力を増したりする効果があります。
効果が実感できるほど摂ると、「もっともっと」いうように摂り過ぎに繋がっていくので注意が必要です。
必要のない時には、なるべくノンカフェインの飲み物を摂るようにして、ここぞという時にカフェインを摂って頑張るというのが良いかもしれません。
もちろん健康上不安があるなら、無理に摂る必要はありません。