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捏造、そして冤罪

軍事転用可能な噴霧乾燥機を無許可で海外に輸出したとして神奈川県にある大川原化工機の社長などが、外国為替及び外国貿易法いわゆる外為法違反で逮捕、起訴されていました。

後になって起訴は取り消されましたが、起訴や逮捕の違法性などを争って裁判になっていました。

国家賠償を争うものなので形式は民事訴訟となります。

その判決が東京地方裁判所でありました。

結論として、裁判所は起訴及び逮捕の違法性を認め、国と東京都に約1億6千万円の賠償を命じました。

大川原化工機側の勝訴となります。

この事件では、捜査に関わった公安部の警察官自身が捏造を認めています。

事実関係の捏造に加え、法解釈の曖昧さと同社の機械の性能を確かめる実験方法のいい加減さが原因になっています。

捜査に関わった人間が仕事の成果を上げたいなどの理由から、本来事件にならないはずの取引を事件化してしまったことになります。

結果的には有罪にはなっていないのですが、この事件では当時、大川原化工機の顧問だった男性が逮捕され、勾留中に病気が悪化し、保釈申請しましたが却下され、病気の治療が十分に受けられないまま亡くなっています。

保釈され病気の治療が受けられれば助かったかどうかは、今となってはわかりませんが、十分な治療が受けられないまま亡くなったことは事実です。

神奈川県の会社ですが、公安部が動いているため警視庁の管轄となり、上級行政庁である東京都が被告に加わっています。

公安部は公共の安全と秩序のために設置され、高度な情報収集能力を持つとされる警察の一部門です。

公共の安全と秩序のために違法な手段を用いることがあるといわれていますが、冤罪では目的自体がズレてしまいます。

更に、高度の情報収集能力を持つはずなのに、冤罪かどうかがわからないというのでは情報収集能力自体に疑問符がつく結果になってしまいました。

私自身、大川原化工機の関係者が逮捕され、黙秘しているという報道を聞いた時、往生際が悪いと思っていたので人のことはあまり言えませんが、そのぐらい警察の逮捕に重みがあるということでもあります。

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