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一度の重みを二度繰り返す

2019年に起きた京都アニメーションの放火殺人事件の判決が京都地方裁判所でありました。

被告人の青葉真司に死刑という判決がくだされました。

現場の状況や行動の経緯から放火行為自体は、被告人の青葉真司が行ったことに間違いないケースなので、問題は刑事責任能力があるかどうかということになります。

供述内容から妄想と感じられる供述もあったため、精神鑑定が行われていました。

裁判では完全な責任能力を認定したうえで、死刑判決がなされています。

裁判の過程では、成長の段階での父親からの虐待や経済的に厳しい環境であったことも伺われますが、最終的には本人が責任を免れる理由とはなりません。

あとは犯行時の心神喪失や心神耗弱が問題となりますが、計画的に準備を進め、犯行を行っていることから責任が阻却されるような状況はなかったことが伺われます。

被告人自身は判決に不満があるようですが、判決後深々とお辞儀をしたと言います。

弁護士から指示が出ていた可能性もありますが、36人殺してしまったことに対する責任が理解できていることの証ではないかと思います。

判決の言い渡し期日で、裁判官は主文を後回しにして、判決理由を先に述べ、主文を二度繰り返したようです。

裁判官は、被告人を非難したりする立場にはありませんので、二度繰り返したということ自体から非難の気持ちを読み取ることができるのではないかと思います。

過去の例からは、1人殺している事件では死刑になりにくいということが言われていますが、36人を故意に殺していれば死刑は免れないところです。

被告人と京都アニメーションの従業員の人々の関係を考えると、ほぼ無関係です。

判決を二度繰り返したことに強い非難の気持ちが現れていると捉えて良いと思います。

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