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司法手続きの限界

死刑判決が確定していた袴田巌さんの事件を受け、朝日新聞社により、再審請求を巡るアンケートが元裁判官や現役裁判官に行われていました。

アンケートに応じたのは、元裁判官15人、現役裁判官3人です。

司法制度に関わるものですが、岡口元裁判官の件があるため、回答しにくい部分もあったかとは思いますが、元判事を中心に実名回答で顔出しまでO.Kしている方もいるのは立派なことだと思います。

現行制度で十分だという回答はなく、「不十分だ」が15人、無回答が3人でした。

手続き規定について不十分だと感じている元裁判官が多いようです。

匿名での回答ではありますが、三審制の元で、確定判決の効力は否定しづらいと回答した現役裁判官もいるようです。

実際そうなのだと思います。

元高裁判事が、担当した再審請求事件の多くが再審事由がないことが明らかだったと回答しています。

再審請求が死刑囚の事件とは限りませんが、死刑囚に限って言えば、死刑の執行を遅らせるために再審請求されている可能性もあります。

しかし、死刑は執行されてしまえば取り返しがつきませんので、再審の材料が集まるまで、とにかく手段を選ばないという弁護側の気持ちもわからないではありません。

現に、今回の袴田巌さんの件についても、刑が執行されていれば、今のように再審手続きが進むこともなかったわけです。

いずれにしても、裁判を行っていた、あるいは行っている裁判官自身が再審手続きについて疑問に思っているということが明らかになっています。

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