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排除措置命令へ

建設業では、現場で働く労働者の労務安全衛生管理のために、様々な規制が行われています。

そのような労務安全衛生上のデータや書類を管理するために、クラウドサービスを提供する会社もあります。

三菱商事の子会社、株式会社MCデータプラスもその1つです。

そのようなサービスを提供する業界大手の大手の1つです。

このMCデータプラスが、顧客が別会社のサービスにデータを移行したり、サービスの乗り換えを行うことを妨害した疑いで公正取引委員会が立ち入り検査に入りました。

具体的には、2019年以降、クラウド上のデータのダウンロードをできなくしたり、データを競合他社のサービスで利用することができなくなるように約款を改定した疑いがもたれています。

すべてのサービスではなくても、一部のサービスの乗り換えをしようとした事業者に対しても、全てのサービスの契約を打ち切ると伝えた疑いも持たれています。

これらの行為は、顧客の流出を防ぐための妨害とも取れるため、独占禁止法によって禁止される排他条件付き取引などにあたる可能性が出てきます。

公正取引委員会は、排除措置命令を出す方針のようです。

同社のサービスによってデータの閲覧や書類の出力はできるにしても、建設業では自前のシステムでは管理できないだろうと、たかをくくって、顧客情報をいわば人質(物質)にとって、サービスの移行を妨害しているとようにしか見えません。

クラウドサービスでのデータ移行妨害で、独占禁止法違反と認定されるのは初めてですが、同法が当然適用されるべき事案だと思います。

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