相続が発生するのは、被相続人となる方が亡くなった場合です。
相続発生時に効果が発生するのが遺言です。
弊所では、病気療養や老人介護施設などに入所し、自分の健康や財産の管理が困難になった場合に備えて、生存中のそれらの管理の方針を定めておくものをリビングウィルと位置付けています。
死後に効果が発生する遺言と生存中の自らの財産や健康への方針を定めておくリビングウィルに共通するのが、サブスクリプションの問題です。
デジタルサービスをはじめ、定期的に利用料金が発生するサービスは、死後も料金が引き落とされ続ける可能性がありますし、生存中でも、入院時にサービスを利用していないにもかかわらず、料金が引き落とされ続ける可能性があります。
特にICU(集中治療室)などに入院すると、外部と連絡が取れなくなることも珍しくありません。
家族などがいても、そもそもデジタルサービスの場合、どのようなサービスを利用していたのかわからず、解約されないケースもあります。
更に、利用していたことがわかっていても、IDやパスワードがわからず解約手続きができないこともあります。
そのような場合に備え、自分がサービスの利用が困難になったときに、どのようなサービスを利用し、IDやパスワードがどうなっているのかわかるようにしておく必要があります。
まず、何らかの文書に書き留めておく方法があります。
紙に書く方法だけでなく、スマホのアプリなどで管理する方法もありますが、本人がいない場合、セキュリティ設定されているとスマホの画面自体が開けないことがあることに注意が必要です。
その他、死亡後を含め、エンディングノートなどに記しておくという方法もあります。
いずれにしても、どのような方法で残すかという問題の他に、生存時には目につきにくく、非常時には発見されやすい方法で管理しなければならないという問題があります。
非常時にうまく見つけてもらったり、うまく機能するのか事前に確認しにくいということにも注意が必要です。
最近では、ネット上のサービスのアカウントにアクセスできる人を事前に指名しておけるサービスもあります。
上手に使い分ける事前の準備が大切になります。