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有効ポイントを突く争い

今年10月から、ふるさと納税を仲介しているウェブサイトでポイント付与されなくなります。

総務省が、ポイント付与の競争が過熱気味であることを懸念し、告示を改正し、事実上ポイント付与をできなくしたのです。

ふるさと納税で、ポイント付与されていた代表的なサイトが楽天市場の「楽天ふるさと納税」というサイトです。

楽天グループは、今回の制度改正を不服とし、国を相手に、告示の無効確認の訴えを、東京地方裁判所に提起していました。

第1回の口頭弁論が開かれ、国側は「制度で保護されるべき利益があるのは、納税者や自治体に限られ、楽天には訴訟を起こす資格がない」と主張したようです。

主張の意図の詳細は、訴訟資料を入手していませんので、推測を含めての判断になりますが、国は楽天には原告適格がないという主張をしているのだと思います。

つまり、総務省の告示では、全国の自治体が、ポイントを付与する仲介サイトを使って寄付を募集することを禁じているため、規制の対象は、直接は自治体であり、それにより不利益を受けるのも納税者であるという主張です。

楽天などの仲介サイトを運営する業者も不利益を被りますが、それは自治体を規制したことに付随して、事実上生じる不利益であって、総務省が直接仲介サイトの運営者を狙って規制をしたことによるものではないという主張なのだと思います。

原告適格がないということになると、本案の審理を進めず、却下判決ということになるので、国側の弁護人の立論としては、真っ先に主張すべき内容なのかもしれません。

楽天側としては、原告適格があることを主張立証したうえで、本案審理に入り、本案について自らの主張に理由があることを認めてもらわなければならないため、少々ハードルが上がった感があります。

ただ、楽天の主張にも、もっともな部分もあるため、これからの訴訟の進行に注目したいと思います。

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