最近書いた記事で「意外と身近な電波法」という記事があります。
その中で、技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)の付いていない通信機器を国内で使うと違法になる可能性が高いということを書きました。
これについてもう少し詳しく書きたいと思います。

まず、「技適マークの付いていない通信機器」という部分ですが、これについては2016年に施行された電気通信事業法等の一部を改正する法律によって、アメリカのFCCマークやヨーロッパのCEマークを取得している携帯端末を訪日客が日本で使用することは可能となっています。

これは携帯端末を持ち込む外国人が海外ローミングしか使用できないのは現実的ではないので、現実に合わせるような法改正を行い、日本の技適マークとFCC認証やCEマークを同等の基準として取り扱うものです。
ただし、この取り扱いは訪日客を想定しているものと思われます。

人と端末と契約先のキャリアの組み合わせによって使用できたりできなかったりしますので、使用を考えている方は携帯電話事業者又はBWA事業者(※1)に確認してみてください。

調べるのが面倒な方はやはり技適マークが付いているものを使用されるのがよいと思います。

通信機器は電波の周波数の使用可能帯域が有限で、技術基準に適合していないと非常通信などに混乱を生じる可能性があるため、一定の基準を満たしている必要があるのです。

この技術基準が世界的に統一されていれば問題はないのですが、通信方式は各国で様々な方式が利用されているため、なかなか統一基準を作るのが難しいのでこのような問題が生じています。

国や端末の種類を気にせず使用できる日が来ればよいのですが。

この問題は結構重要で、国内で端末を使用できないということはアプリの開発もしにくいということなので産業界には影響の大きい問題なのです。

※1 BWAとはBroadband Wireless Accessの略です。
   屋外アンテナを使用する無線LANの通信規格です。
   日本では携帯電話事業者の端末よりも高い周波数帯域を使用します。
   Wifiをイメージしていただければわかりやすいと思います。

これに対し携帯電話の通信方式はLTEや3Gなどです。

スマートフォンはこれら両方に対応していたりします。
ということは端末の見た目ではわからないということですが、技適マークを取得している機種なら特にどの方式か気にする必要はありません。