認知症の方に朗報です。

東京大学と北海道大学の研究チームが薬で記憶を回復させる実験に成功しました。

20代を中心とする健康な男女38人に100枚前後の写真を見せ1週間後に覚えているかどうかという実験をしました。

元々めまいの薬として使用されていたメリスロンという薬を飲んで場合と飲まなかった場合で、飲んだ場合の方が写真を思い出すことが多いという結果が出ました。

忘れている人ほど正答率が上がったそうです。

記憶情報の伝達にはヒスタミンという物質が関わっていますがメリスロンを飲むとヒスタミンの放出が促進され神経細胞が活性化したからではないかというのが研究チームの分析です。

カギを握る物質とそれを薬でコントロールできるということがわかれば新薬の開発などでより効果の高い薬の開発なども期待できます。

認知症で物を忘れてしまっている人は記憶が消えてしまったのではなく思い出せない状態であることが多いと思います。

記憶については薬による治療により取り戻せる可能性が出てきました。

ただ、認知症は記憶だけの問題ではなく様々な原因があることがわかってきています。

認知症の症状が出るケースの一つに脳腫瘍が原因の場合がありますが、脳腫瘍が原因となっている場合は脳腫瘍を取り除くだけで回復するケースが有ることが知られています。

今回の実験結果は回復困難と思われていたアルツハイマー型の認知症の人にも効果がありそうなのです。

原因のいくつかも特定できるようになってきているので、それぞれの原因を取り除き記憶を薬で回復させることができるようになれば認知症を治療できる日がやってくるかもしれません。