いつもは日本の在留資格について書くことが多いのですが、今日は海外の在留資格について書きます。

普段は日本で働きたい外国人のために在留資格を取得するための話題が中心ですが、日本人が海外で滞在するためにもその国の在留資格が必要になります。

今日はシンガポールで働く外国人(この中に日本人も含まれます)のための在留資格の取得が難しくなったという話題です。

まずシンガポールで働くための在留資格ですが、シンガポールで働く場合も就労の在留資格(ビザ)が必要になります。

種類としてはEP(Employment Pass)パスと呼ばれる在留資格とS-Passと呼ばれる在留資格があります。

Sパスは専門学校や短期大学を卒業又はそれらと同等以上の学歴が求められます。

収入にも一定の条件があります。

ただし企業により枠が決められていて一定の人数までしかこの在留資格を取得することができません。

そのためシンガポールの企業又はシンガポールに事業所を持つ企業で働く場合、S-Passの枠があるのかどうかを確認することが大切になります。

一定の制限がある以上個人の希望だけでは取得しにくいことがご理解いただけると思います。

次にEPパスは専門性の高いマネジメントレベルの人が取得する在留資格です。

こちらは大学卒業以上の十分な学歴を持っていることが要件とされ、この他に収入の要件もあります。

この収入の要件が今回引き上げられるのです。

実際には働く業種などによっても条件が変わり、学歴にさらに詳細な条件があると言われていますが、シンガポールの人材開発庁は詳細について公表していません。

今回の在留資格取得の条件の厳格化によって日本の難関大学卒の人でもEPパスを取得しにくくなったということが言われています。

この就労の在留資格の要件の厳格化の背景には外国人の就労を減らしシンガポール国民の雇用を増やそうという意図が見て取れます。

勿論このような政策は通常の経済対策としてだけでなく今回のコロナの経済への影響を考えた対策であろうという推測が成り立ちます。