少年法の改正案が今国会に提出されています。
この改正案について刑法学者や弁護士の中から反対意見を表明する人が出てきました。
改正案では18歳と19歳の少年を特定少年として成人のように扱う内容が盛り込まれています。
これが現行法とどのように変わるかといえば、この年齢の少年について実名報道が可能になってくることです。
家庭裁判所からいわゆる逆送になるかどうかで取り扱いが大きく変わることになります。
逆送されなければ保護処分などを受けられ実名報道もほぼないということになりますが、逆送され起訴されれば大人と同じように実名報道されることになります。
反対意見を表明している人達はこれまで少年院や保護処分によって更生の機会を得ていた少年が更生の機会を失うのではないかと考えているのです。
更生しにくい制度になれば再犯率が上がるだろうと危惧しているのです。
少年が大人よりも保護されているのは主に少年には可塑性があるからだとされています。
ここに言う可塑性は大人よりも柔軟性があって考えを改め立ち直りやすいという性質です。
たしかに立ち直る機会を与えることは重要だと思います。
ただそれは少年だけでなく大人にも言えることです。
大人の犯罪者の場合変わりにくいということは言えるかもしれませんが、それでも社会にどう受け入れるかという問題は残ります。
特定の法律であるため改正での問題点に議論が集中しがちですが、被害者の救済を含め少年の処遇は罪とどのように向き合い被害者に償っていくかと、その後社会とどう関わっていくにかかわる総合的な議論の必要がある問題だと言えそうです。