働くためや学ぶために日本にやって来ても待遇の悪さから逃げ出す外国人もいます。

在留資格で就労できても、簡単には転職できないのが日本の在留制度です。

滞在期間を過ぎれば、在留資格の更新は難しく、不法滞在となります。

不法滞在となれば、使う方も罪に問われることになるので、違法な手段でお金を稼ぐことで生計を立てなければならなくなる外国人もいます。

働くことに関しても犯罪に協力せざるを得ない状況になってしまう人もいます。

健康面でも健康保険が使えず医者にかかれないという状況も生じえます。

現在のような新型コロナウィルスのワクチンを接種しなければならない場合、オーバーステイの状況がバレてしまうのはまずいため、ワクチン接種も受けられずに潜伏する人もいます。

インドネシア系の外国人が多い茨城県の大洗町ではオーバーステイの外国人にもワクチン接種を進めることになりました。

勿論自治体レベルだけで対応を決められる問題ではありません。

なぜなら出入国管理法で公務員の場合、職務上退去強制の対象となる外国人を知った時は通報しなければならないことになっているからです。

そのため厚労省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、今年6月末に事務連絡で、新型コロナの感染拡大防止のため、通報しないことも可能であるという見解を都道府県などに示したのです。

これを受けて大洗町はオーバーステイの外国人にもワクチン接種を行うことを決めました。

人道的配慮ということもあると思いますし、地域の日本人や正規滞在の外国人の健康や生命の安全のためもあるので、やむを得ないと思います。

ただ不法滞在者に対する一定の情報は把握することになると思うので、今後の取り締まりのために今回把握した情報を使い過ぎてもまずいですし、一切使わないというのも変な気がします。

オーバーステイになっている外国人だけでなく、その外国人と関わっている日本人がいるはずなので、放置するというわけにもいかない問題です。

今回のワクチン接種がきっかけではないという摘発を行わなければならなくなるのだと思います。

まずはワクチン接種時にトラブルが増えなければ、これに続く自治体も増えてくるのだと思います。