1966年に静岡県で一家4人を殺害した罪で死刑が確定している袴田巌さんの再審開始決定が東京高等裁判所で出されました。

東京高等裁判所は、袴田さんが犯人とはいえない可能性が高く、そう判断する新証拠があると判断したことになります。

これで開かずの扉と言われる再審が開始される可能性が高まりましたが、まだ確定ではありません。

この判断に対して検察が特別抗告をしなければ、再審が開始されます。

事件が起きたのは私が生まれる前です。

この事件については、当初から、証拠となる、犯行時に袴田さんが履いていたとされるズボンが、袴田さんが履けるサイズではないといわれていて、冤罪の可能性が指摘されていました。

現在袴田さんは釈放されていますが、これた異例のことです。

2014年に静岡地方裁判所で再審開始の決定がなされるのと同時に、刑と拘置の執行が停止され、釈放されていたのです。

この時、静岡地方裁判所が、無罪が確定していないにもかかわらず、袴田さんを釈放する理由として「無罪の可能性が相当程度明らかになった現在、これ以上拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」としています。

免訴に近いほどの強い表現で釈放を決めています。

誰しも冤罪だと思っているけれども、そこから救い出す手段が乏しく、難しいということを物語っています。

検察は有罪に自信があるなら再審の場で争ってもらいたいと思います。

ただ現在、検察実務に就いている人も袴田さんの有罪の手続きに直接関わっていた人はいないと思いますので、当時の証拠を見れば相当無理があると感じているのではないでしょうか。

袴田さんが高齢である現在、検察にはこれ以上、審理の引き伸ばしなどはしないようにしてもらいたいと思います。