元外国籍であることを理由に、会員制のゴルフクラブへの入会を断ったことが違法かどうかが争われていた裁判の判決が津地方裁判所四日市支部でありました。

結論としては違法性は認められないという判決となりました。

しかし、これは問題がないということではなく、裁判所自身も合理的な理由があるかは疑問もあるとしています。

元外国籍ということは、現在日本国籍ということなのでこの点も引っかかります。

この判決の主なポイントは2つあります。

まず、ポイントの1つは、ゴルフクラブが私的団体だということです。

国民一般に広く利用させなければならない公共の団体のようなものではなく、私的団体には結社の自由(憲法第21条)が保障されているので、どのような人を入会させるかは原則として自由であるということです。

次にポイントの2つ目として、ゴルフが社会生活に必要不可欠でないことが挙げられます。

ゴルフをプレーすることが社会生活にとって必要不可欠であれば、入会を拒否されることが、ゴルフクラブ側の結社の自由を制限してでも保護されるべきであると判断された可能性はあります。

しかし、ゴルフをプレーすることは社会生活に必要不可欠なものではないため、ゴルフクラブ側の結社の自由の方が保護される結果になったのだと思います。

更に、元外国籍であった人同士で、入会できたりできなかったりということであれば、差別的な取り扱いとなり、法の下の平等に反する可能性も出てきます。

同様に元々日本国籍の人と元外国籍の日本国籍の人で区別することが、差別に当たる可能性もありますが、これについてもゴルフをプレーすることが社会生活にとって不可欠なものではないため、差別ではなく、単なる団体への入会条件として捉えられたということだと思います。

しかしながら、私的団体であり、社会生活に必要不可欠でないにしても、ゴルフをプレーすること自体と元の国籍がどこであるかということは全く関係ないので、このような入会条件を作っておいて、紳士のスポーツなどとはよく言えたものだと思います。