病気というと治療や予防という観点のみから語られがちですが、国立がん研究センターなどの研究グループが、日本でのがん患者に対する経済負担の統計を発表しました。
これによれば癌によって日本社会が負担する経済的な負担額は、約2兆8597億円なのだそうです。
様々な種類のがんを含んでの数字ですが、日本人の死因第1位を占めるだけあって、かなりの額になっています。
この内、胃がんはピロリ菌が大きな原因になっていることがわかっていますし、子宮頸がんはワクチン接種によりかなりの数が予防できることがわかっています。
禁煙やワクチン接種などにより予防できると考えられる、がんの負担額は約1兆円だそうです。
ということは、1兆円を超えないように、予防策を実施すれば経済的には見合うということが言えそうです。
もちろんこれは数字上のことで、人によっては赤字になっても命をつなぎとめたいと考える人がいても不思議ではありません。
今の時点で言えることは、予防できるがんをきちんと予防すれば、経済的に個人的にも国としても余裕ができるということです。
特に高齢化が進み、国の医療費負担額が大きくなってくることがわかっている以上、予防医療の重要性は今まで以上に増しています。
そのためには、義務教育の時点からどのような行動を取れば、病気にかかりにくくなるかという実用的な教育を実施していくべきなのではないでしょうか。
体の仕組みやを教えることや、検査も重要ですが、日常生活での行動が病気になるかどうかに大きく関わっているからです。
生活する上で重要であるのに、学校で教えていることと日常生活で実用性にギャップがある分野は他にもあるように思います。