上げ馬神事という行事をご存知でしょうか。

毎年5月に、三重県の桑名市にある多度大社で行われる神事で、県の無形民俗文化財に指定されています。

私は直接観たことはありませんが、ニュース映像で観たことはあります。

馬を強引に坂の上に駆け上がらせ、農作物の豊凶を占うものです。

これが動物虐待だとして、市民有志が三重県と県の教育委員会に2万917筆の署名を提出しました。

この神事を動物虐待だという人たちの気持ちはわかります。

頭がいい馬にとって何の影響もない行事だとは思えないのです。

しかし、元々祭りや神事というのは、大切にしているものを犠牲にしてでも、祈ったり、占いを行うという要素が少なからずあるものです。

合理性を追求しては、もはや祭りや神事ではなくなってしまうという要素もあると思うのです。

ところが、中止しろと言っているなら反論もしたくなりますが、署名を提出した市民はヒステリックになって、神事を止めろと言っているのではなく、動物虐待の無い神事にしてほしいと要望しているのです。

ただ、先程も書いたように、この神事の場合、動物虐待の要素を無くしてしまうと、もはや上げ馬神事ではなくなってしまうと思うのです。

とても難しい問題です。

昔からの風習と現代社会の間に生じる問題は、他にも女性が参加できない男女差別の問題も存在しています。

現代の基準に合わせてしまうと意味がなくなってしまう風習や行事は他にもあるのです。

止めるかどうかを占ってみるというわけにも行きません。

この難問に答えを出せる一休さんは登場するのでしょうか。