米国(U.S.A)のユタ州共同事業体とニュースケールパワー社が、アイダホ州に建設を計画していた次世代型小型モジュール炉の建設が中止されることがわかりました。
インフレによる建設費の値上がりにより経済合理性が無くなったという判断です。
アメリカでは、電力の売買市場が出来上がっているため、コストに見合わない発電方法はすぐに廃れます。
今回の小型モジュール炉は、工場で製造して現場で組み立てやすいので、建設コストが安く済むというメリットがありましたが、インフレにより、そのメリットが無くなったため計画が中止されたのです。
アメリカでは従来の原子力発電所はコスト面でメリットがあまりないため、日本程重視されていません。
核兵器は既に持っているため、核転用を考える必要もないのです。
事故や、原子炉の運転にトラブルもなければ、コストに対する評価も違ってくると思いますが、事故は起こりえますし、運転上のトラブルも起こり得るということは日本を見れば明らかです。
コスト面よりも、どちらかと言うと気候変動など環境に影響が少ない発電手段として注目されることがあるのです。
しかし、温暖化など環境に与える影響を考慮するなら、核燃料廃棄物を保管するというリスクも重視しなければなりません。
もしも、核燃料廃棄物が漏れ出せば、環境に与えるダメージは計りしれません。
そのため、原子力発電を行っている日本では、これからきちんと保管するための核燃料廃棄物の処分場を造らなければならない状況です。
これもまた、コストやリスクの一部になります。