高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定作業が進んでいます。
候補の1つである北海道の神恵内村でシンポジウムが開かれました。
原子力発電環境整備機構の担当者が、文献調査の概要を説明した後、北海道教育大学の岡村先生が、地層処分の問題点について公演しました。
そこでは、火山活動や地下水汚染の危険性から地層処分は見直すべきではないかという提案がなされています。
岡村先生に限らず、新潟大学の赤井先生も同様の指摘をされています。
北欧では、地層処分によって、地下で核廃棄物が保管されていますが、地震の多い日本と北欧では事情が異なります。
火山の上に国があるような日本で、10万年の間、地下に安全に保管しようということに無理があるということです。
確かに、この10万年だけ見ても、仮に地下に核燃料廃棄物があって安全だったかといわれれば、ここなら安全だったという場所が思いつきません。
仮にあったとして、地下水の汚染の危険性や、もし最終処分場となれば、その上はほぼ住めなくなるであろうということを考えると、国土の狭い日本で、そのような場所を造っていくことに疑問を持たざるを得ません。
学者の先生なら、ほぼ同様の考えに至るようです。
ただし、原子力発電環境整備機構(NUMO)をはじめとする原子力村からの圧力で、はっきり物を言いにくいという事情があるようです。
最終処分場ができたとしても、推進派にとって安全なわけではありません。
その意味でも、岡村先生や赤井先生のように記名式で見解を述べている人達への圧力は、国民が厳しい目を向けていかなければなりません。