愛知県の安城市で田んぼダムによる水害対策が行われています。

市が地元農家に要請し、農家の協力によって実現しているのです。

仕組みは田んぼの排水口にある水をせき止めるためのせき板に、高さが5センチメートルから10センチメートル高いせき板を、もう1枚設置し、大雨の時には普段より水が溜まる量が増えるようにして、一時的にダムの役割をさせるのです。

1反の田んぼで、5センチメールと深くなると約50トンの水が貯水できることになるそうです。

このような工夫をしなくても、以前は稲作農家が多かったため、各地にミニダムがあったような状態だったことになります。

米価が下がり、国の補助金も減らされ、気候変動の影響もあって、米農家も減っています。

補助金単価は逆に増えています。

補助金単価とは、補助金交付額を水田面積で割ったものをいいます。

つまり交付額の総額は増えていないけれども、作付け面積が極端に減っているため、面積あたりの補助額は上がっているのです。

稲作従事者が減って、作付け面積が減っているなら交付額を多くすれば良いと考えるかもしれませんが、稲作従事者と土地の所有者が同じでない場合、単に地代の値上げに繋がる可能性があるのです。

そして地代が値上げされると、稲作従事者の収入の安定のために支出された補助金が、地主の所得へと転化してしまうのです。

そのため、単に補助金を出せば良いというものでもないのです。

稲作従事者の数や水田面積は、以前は食物自給率や米価の問題でしたが、自然災害の発生や生態系にも影響を与える問題にもなってきています。