江崎グリコが大変なことになっています。
基幹システムを旧システムから新システムに切り替える際に、システム障害が生じて商品の受発注や出荷業務がストップしているのです。
すでに原因は特定できているようですが、改修のために来月ぐらいまで商品の出荷ができそうにないのです。
このシステムは大手システム開発会社が手掛けるもので、既に1年近くシステムの更新業務が遅れている状況下で、今回のシステム障害が発生しています。
このシステム会社では、退職する中堅社員が増えているという情報もあり、システムの切り替えに影響が出ているのかどうかは不明です。
ただ、事はグリコやこのシステム会社に限ったことではなく、今回のような問題は、これから「2025年の崖」として、旧システムの改修を進めなければならない企業全てが直面するかもしれない問題とも言えるのです。
時間、費用、人材をシステム改修に割かなければならないうえに、システム開発に関わる業界が抱える問題と相まって、これからあらゆる業界で、このような障害が発生しても不思議ではない状態になっています。
経済的な損失は何十兆円単位で生じるのではないかと言われています。
グリコも既に業績を下方修正しています。
なぜ2025年かというと古いシステムのサポートが切れるタイミングであり、そのような古いシステムを構築している特定のプログラミング言語を使用する技術者の多くが定年を迎える時期と重なっているためです。
システムを開発する方も、開発されたシステムを使用する方も、その人でなければわからないシステムに支えられて業務が成り立っている状況です。
良く言えば、ローカルにカスタマイズされている、悪く言えば、部署の垣根を超えて情報共有しにくいシステムで業務を運用しているという現状があるのです。
システムを改修する際、更にこの状況がシステム改修の現場でも生じることになります。