がん研究が進んでいます。
日本人の腎細胞がんの約70%に、他の国ではあまり見られない発がん要因があるということを国立がん研究センターの研究チームが発表しました。
がん研究が進んでいるため、ある程度の原因はわかっています。
がん細胞は、通常の細胞のDNAが損傷し、突然変異などでがん細胞が発生します。
がん細胞化する場合、DNAが損傷する原因によって変異のパターンがあることが知られています。
この変異パターンを調べたところ、日本人の腎細胞がんの約70%に、他の国の国民では約2%しか見られない変異パターンである「SBS12」があることがわかりました。
今のところ、この「SBS12」は遺伝や加齢などの要因ではなく、外的な要因である可能性が高いそうです。
つまり、日本人にとって、腎細胞がんになる未知の外的要因が存在しているということになります。
それが何なのかはまだわかっていませんが、わかれば、その要因となるものの摂取や接触を控えることで腎細胞がんにかかりにくくなるかもしれません。
ちなみに、腎細胞がんの場合、発症頻度が高いのはチェコ(チェコ共和国)で、逆に発症頻度が低いのはタイ(タイ王国)なのだそうです。
発症頻度の低いタイ人と同じアジア人であることからすれば、腎細胞がんにかかりにくいようにも思えますが、今回発見された要因は外的要因である可能性が高いため、後天的に腎細胞がんになる可能性があるものということになりそうです。
もちろん、後天的な外的要因と遺伝的な要因の相乗効果である可能性もあります。