段々と暖かくなってきました。
これから怪談の季節がやって来ます。
怪談といえば、日本では火の玉(人魂)が登場することもあります。
迷信や都市伝説の類ではなく、科学的にも存在すると言われています。
正体は、人体に含まれるリンが発光したものではないかという説です。
昔、日本は土葬でした。
土葬された遺体に含まれるリンが、雨などで空気が湿っているなどの条件が揃うと発光するという説です。
しかし一方で、人体に含まれるリンは化学的に安定しているので、人工的にはともかく、自然界では発光するような状態にはならないのではないかという説もあります。
真相は不明ですが、人体にもリンが含まれていることは事実です。
植物を育てるための3要素も、窒素、リン酸、カリで、リンが必要とされます。
我々の体は、宇宙の誕生以来存在する、身の回りにある物質を効率よく利用して生命を維持するようにできています。
ということは、動物の体にも含まれ、植物の育成にも必要な物質は、宇宙に大量に存在しているということが推測できます。
実際に、リンは宇宙空間に大量に存在しています。
この大量に存在するリンが、どこから来たのか、よくわかっていませんでした。
国立天文台の研究チームが、新星爆発によって、リンが宇宙に大量に存在するようになった可能性があると発表しました。
これまでは超新星爆発によってリンが生み出されたのではないかと考えられていました。
言葉が似ていますが、超新星爆発は、極めて質量が重い星が、その一生を終える時に起こすものです。
そのため、超新星爆発によって生じると考えられるリンの量は、銀河系に存在するリンの量よりもずっと少ないのです。
一方、超新星爆発と異なるのが、新星爆発です。
超新星爆発までは起こさないような質量の星が、その一生を終える時、白色矮星になりますが、新星爆発は、その白色矮星の表面で生じる核融合反応です。
そのため、銀河系に存在するリンの量が生じるだけ発生したと考えても不自然ではないのです。
もし、リンが新星爆発によって生じたとすると、星が、その一生を終え、生命の維持に必要なリンが生み出されたことになります。
生き物同士ではありませんが、輪廻転生と言ってもよいのではないかと思います。