積水ハウスが東京の国立市で建設していたマンションが完成間近になって解体されることになりました。

「富士見通り」と呼ばれる地域に建つマンションですが、富士山の眺望を阻害するという理由で解体されるようなのです。

法的には、何も違反していないようです。

建設過程では周辺住民からの反対もあり、当初の計画より低い高さで建設が進んでいました。

霊峰富士を重視した措置なので評価したいところですが、必ずしも歓迎する声だけではないようです。

国立市長も、建設過程で周辺住民の理解を得るよう指導してきたのに、一方的に解体というの「非常に遺憾」というコメントを出しています。

眺望が回復されるならそれで良い気もしますが、解体するならするで文句を言われてしまうのは気の毒な気もします。

景観や日照権の問題などで、マンションの建設に反対運動が起きるのは珍しくありません。

そのため、完成間近になって解体というのは確かに不思議な気がします。

理由については、当の積水ハウスが明らかにしていないためわかりません。

わからないなりの推測になってしまいますが、景観の悪化や積水ハウスへの批判ということであれば、このまま販売ということもありえたのだと思います。

それでも解体が決まった1つの理由に、購入者への影響というのがあるのではないかと推測します。

積水ハウスのマンションは高級路線を狙ったものだと思います。

そのような高級マンションを購入した人が、「ああ、あの富士山が見えなくなったマンションね」と今後言われ続けるのは、良くないという判断が働いたのではないかという推測ができます。

「あの、素敵なマンションに住んでいるんですね」と言われたいかどうかはともかく、富士山を見えなくしているマンションの住人と言われ続けるのは、高級路線とはかけ離れたものになってしまいます。

もしかすると、そんな判断が働いたのかもしれません。

それだけではないような気もしますが。