長崎県の佐世保市にある福井洞窟が国の特別史跡に指定される見込みとなりました。

文化審議会による文部科学大臣への答申があったことでわかったものです。

指定されれば、我が国最古の特別史跡になります。

旧石器時代のものとしても初となります。

古い時代の特別史跡として三内丸山遺跡がありますが、三内丸山遺跡よりも更に数千年は古く、旧石器時代から縄文時代にかけての史跡です。

川の浸食によってできた洞窟で、古い時代の石器や土器が20万点以上見つかっています。

その中には黒曜石の細石刃や隆起線文土器も含まれます。

長崎なのに、福井洞窟、長崎なのか、福井なのか、ややこしいですが、佐世保市にあるので長崎県です。

既に国指定史跡ですので、近くに福井洞窟ミュージアムという施設まであります。

ジオラマなどもあり、我々の先祖は、雪景色を背景にナウマンゾウやオオツノジカを狩って生活していたことが伺えます。

長崎というと暖かいイメージですが、氷河期には白銀の世界だったことがわかります。

氷河期から段々と暖かくなって、動植物の生態系が変化していた時期です。

若い方はご存じないかもしれませんが、「はじめ人間ギャートルズ」の世界です。

長崎県は、昔寒い中でも比較的暖かい地域で、狩猟などもしやすかったのではないかという推測ができます。

時代は下って、その後も、大陸との窓口、江戸時代には海外との窓口という日本の中でも特別な地域となっています。

これからは歴史への窓口となるかもしれません。