大阪府の道頓堀にある金龍ラーメンの龍の立体看板やひさしが隣地にはみ出しているとして撤去を求められていた裁判の判決が大阪高等裁判所でありました。

結論から言うと、隣地の所有権を侵害しているとして、はみ出している看板の撤去を命じました。

店を運営している金龍製麺は、国内外から多くのお客様にご来店いただいているなか、お客様に真摯に向き合うため、負担のかかる裁判手続きを続けることは難しいとして、最高裁判所への上告はしないようです。

そのため、立体看板、尾っぽの部分は撤去されることになりそうです。

近隣にも店舗はいくつかあり、竜頭蛇尾にならぬよう、「昇竜圏」を確立してほしいと思います。

お店のある道頓堀周辺は、街が碁盤の目のようになっています。

東西に伸びるのが「通り」です。

中央通りや長堀通、千日前通りなどです。

南北に伸びるのが「筋」です。

御堂筋、堺筋、今里筋などです。

碁盤の目といえば京都が有名ですが、決して京都の町を真似たものではないようです。

豊臣秀吉の時代に、下水を整備するため東横堀川や西横堀川(今は無い。金谷橋周辺を流れていた)の水を木津川に流すために道頓堀川が掘られたのだそうです。

徳川家康も利根川の流れを変えたりしていますので、治水が時の権力者の大きな仕事であったことがうかがえます。

そのように整備された区画に、あまり高い建物がないというのが大阪の特徴です。

大都市はどこも似てきていますが、東京から行くと、似てはいるが、少し開けた感じがする。

昔の東京のようでいて、どこか違う、不思議な感覚に陥ります。

さらに高層ビルが少ないうえに、看板が目に入りやすい気がするのです。

全国展開している企業の看板は、どこも同じような気がしますが、大阪へ行くと看板が目に入りやすいのです。

立地や間取りが異なるのだと思いますが、ビルの遠近感からしても、看板の位置や大きさからしても目につきやすいのです。

それに加えて、かに道楽など立体看板がたまにあります。

食道楽といわれる大阪で目立つための工夫だと思います。

看板使いの上手さが、商売の上手さに通じるのかもしれません。

大阪・関西万博が開催され、これから大阪に行く人も多いと思いますので、その辺も注意して大阪の街を見ると、変わった楽しみ方ができるかもしれません。