台風10号の接近により、岐阜県の大垣市にある杭瀬川では、災害気象情報で最も警戒レベルの高い、緊急安全確保が出されました。
その後も雨は続き、大垣市では道路の冠水や浸水被害が出ました。
下水から水があふれ始めてから浸水までの時間はとても短かったそうです。
このような状況では、川が氾濫して街に水が流れ込む河川氾濫なのか、下水の排水が間に合わずに溢れ出す内水氾濫なのかの区別がつきにくくなります。
どちらの危険性もあるだけに、片方だけの対応をとるというわけにもいきません。
何より困るのは、こうなってしまい水が溢れ出すと、対応するための人や物の移動も困難になってしまいます。
もちろん救助や避難などの移動も困難になります。
東京でも、最近大雨が続き、一部地域で内水氾濫がありました。
下水から水があふれ、水柱が上がったり、マンホールの蓋が飛んで、ニュースにもなりました。
都市部の内水氾濫では、水が流れる勢いが強く、水柱となって噴き出すというより、流れ込む勢いが強いと、地下で空気が閉じ込められます。
この空気が、流れ込む水の勢いで押し出されるため、街の地下自体が水鉄砲のようになってしまいます。
その結果、水柱が上がったり、マンホールの蓋が飛んだりするのです。
水だけの勢いではないので、あれほどの力を生んでしまうのです。
東京のように、短時間に雨がたくさん降ることも問題ですが、台風の接近により雨が続いていた中、雨脚が強まる岐阜県のような例では、河川と地下の両方からの氾濫の危険が高まり、片方の氾濫は、もう片方の氾濫を早め、強める結果につながってしまいます。
上流のダムだけではない、貯水機能、排水機能が必要になってきます。