昨年10月に、ハマスがイスラエル(イスラエル国)を攻撃した際に、人質として拘束されていた6人の人質の遺体が、ラファの地下で発見されました。

遺体の状況から6人は、発見される直前に殺害されたとみられています。

そのため、イスラエル国内でも、ネタニヤフ政権が停戦合意をしていれば、6人は死なずに済んだのではないかと、ハマスとの停戦を求めるだけでなく、ネタニヤフ政権に対する非難の声が出てきています。

政治的には難しい判断だと思います。

確かに、停戦していれば、6人は助かった可能性があります。

ただ、停戦により、将来もっと多くの犠牲が出る可能性もあります。

どちらの可能性が高いかは相手次第ということになります。

それでも、今回の犠牲に反応するイスラエル国民の意見が間違っているというわけでもありません。

国民の犠牲が減るよう停戦を求めるのは民主国家の国民の当然の行動といえます。

ネタニヤフ政権は、将来の犠牲を減らすためにも、今回は徹底的にハマスを叩く気なのだと思います。

この選択を変えることができるのは、ハマスの出方ではなく、イスラエル国民だけなのかもしれません。

国際社会からもイスラエルの対応に対する非難の声も出ていて、アメリカ(U.S.A)からも自制するように要請されていました。

しかし、アメリカ人の人質に犠牲者が出てしまったことで、アメリカの態度も硬化する可能性があります。

こうなると、停戦どころか、これまで背後にいたイラン(イラン・イスラム共和国)とアメリカの対立が表面化する可能性も出てきてしまっています。