右脳や左脳といった脳の働きが、わかるようになってきています。

右脳は芸術的な感覚を司り、左脳は言語を司っていると言われています。

運動機能としては、体の左側を右脳、体の右側を左脳が司っていると考えられてきました。

これは、左右の脳からの指令を伝える運動神経が延髄で交差して、左右の体に伝わるためです。

反対に、脳梗塞などでは、体に麻痺が出ている反対側の脳に病変がある可能性が出てくることになります。

今回、京都大学などの研究チームが、怪我の回復時には体の左側について右脳から左脳に指示が伝わり、左脳が体の左側をコントロールし、体の右側については左脳から右脳に指示が伝わり、右脳が体の右側をコントロールすることがあることがわかりました。

これは、普段かかわってない体の部位についてのコントロールを、怪我の回復時には、左右の脳の間をつなぐ神経経路が働くことによって、機能させるようになることによるものです。

これまで、機能のわかっている脳の部位についても、脳の損傷があると、他の脳の部位がリカバーすることがあることが知られていましたが、動物実験により、怪我の回復時に、左右の脳をつなぐ神経経路が働くことが分かったのです。

おそらく、一時的にでも体の一部が動かなくなるというのは動物にとって危険なため、もう片方の脳がフォローに回るのではないかと思います。

だとすれば、普段の脳の役割は、体が効率的に動く時の役割分担で、ピンチの時には助っ人に回るように機能しているということだと思います。

思った以上に柔軟に対応できるようになっているようです。

これを能率的ならぬ脳率的と表現していいんでしょうか。