日本の家屋にも太陽光パネルが設置されている家が増えています。

2025年度から東京都では条例により、屋根置き型の太陽光パネルの設置が義務付けられます。

誤解の無いように確認しておくと、新築住宅の場合ですので、すでに建っている家に太陽光パネルが設置されていなくても、直ちに違法になるわけではありませんのでご注意ください。

ですので、既存の住宅について、「条例ができたので太陽光パネルを設置しないとまずいですよ的な詐欺」にも注意しましょう。

その太陽光パネルの経済効果を示すデータが出てきました。

国際的な研究機関「カーボン・アナリティクス」のまとめた報告書によれば、仮に2020年度に太陽光パネルの設置が義務付けられていた場合、1軒あたり、4万8115円電力を購入せずに済んだ計算になるそうです。

更に、余った電気を売ることにより、9万5307円の収入になったそうです。

合計すると、14万3422円お得と結論付けています。

実際の2020年度の1世帯当たりの年間平均電気料金は、10万6千円でした。

これらの数字から差し引きすると年間で3万7422円純利益を得られた可能性があるとしているのですが、どうもこの数字が納得できません。

そもそも太陽光パネルの設置コストが含まれていないので、単純に損得を判断できないのではないかと思ってしまいます。

自治体により太陽光パネルを設置するのに補助金が出る場合がありますので、ほぼ補助金で設置できているなら、計算で出てくる数字が得した額といっても問題なさそうです。

しかし、中には、補助金が受けられなかったり、補助金を利用していないという人もいると思うので、そのような人の場合、設置コストを耐用年数で割った額を費用として差し引いて初めて利益にあたる額が出るのではないかと思います。

更に売電についても、過去には電力会社によって買取拒否という事態もありました。

ただ、これは電力会社と契約しているのに買取を拒否されたということではなく、新規の契約ができない時期があったということです。

そのため、設置のタイミングによっては、都合よく売却益を計算できない地域や時期が過去にはあったということになります。

細かいことを言うようですが、太陽光パネルについても、古いもの程、耐用年数が短いわりに設置費用は高額で、発電効率も悪い可能性がありますので、この計算が当てはまる範囲はそれほど広くないのではないかと思います。

基準を設けての算出だと思いますので、基準が分かれば計算どおりなのかもしれませんが、設置している家によって計算に近い感想を持つ人と、だいぶズレるという感想を持つ人がいるのではないかと思います。