内戦が続いているシリア(シリア・アラブ共和国)で、アサド政権が崩壊しそうです。

反体制派勢力が、首都ダマスカスを制圧したとロイター通信が伝えています。

アサド大統領は、ロシアに亡命する可能があります。

これで直ぐに、シリアに平和が訪れるかといえば、今度はアサド政権の管理下にあった武器が、反体制派勢力にわたるのを恐れて、アサド政権以外の勢力からの攻撃が始まる可能性もあります。

シリア国外に逃げている人にとっては、国に戻るかどうか難しい選択を迫られることになります。

このシリア情勢は日本にも影響するはずです。

今、話題のクルド難民なども、シリアでの迫害がなくなれば、状況は変わってくるわけです。

出身地にもよりますが、日本で難民申請しているクルド人にとっては、マイナスに働く可能性もあります。

「アラブの春」以来、10年以上を経て、独裁体制が終わりそうです。

反政府勢力の抵抗が本格化して約十数年ですが、シリアの独裁体制はアサド大統領のお父さんの代から50年以上も続いていました。

シリアの今の現役世代にとっては、初めての民主化のチャンスといえます。

ただ、既にアルカイダとは決別しているとはいえ、シリアの反政府勢力の前身はイスラム過激派との関連があったため、アサド大統領がいなくなっても別の独裁者が現れる可能性もあるため注意が必要です。

独裁者に抵抗し、勝利した勢力から独裁者が生まれるというのは、世界史では繰り返されてきたことです。