インターネットでは通信技術が必要とされ、WiFiなど無線技術も使われます。

ただ、無線によるのは部分的で、最終的には日本も世界とは有線ケーブルでつながっています。

日本では、明治の頃に長崎県で有線ケーブルが中国(中華人民共和国)の上海と接続され、翌年ロシア(ロシア連邦)のウラジオストクと接続されました。

長崎は鎖国の頃に、船の出入りで使われていただけでなく、その後の情報の出入りの窓口でもあったわけです。

海外も、外国とはケーブルでつながっているといえます。

どんなに、ネットワーク上のセキュリティを強化しても、海底ケーブル自体から情報を盗まれたり、切断されては意味がありません。

有事やテロ的な行為に対する対策だけでなく、日常的な維持管理にも、現在、中国船の助けを借りずに海底ケーブルを維持することは困難な状況にあります。

最近バルト海で海底ケーブルが切断される事件が相次いでいます。

船の航行記録から中国船に疑惑の目が向けられています。

アナログ的な有線ケーブルでは盗聴が可能ですが、現在の光回線のケーブルでは難しいのではないかともいわれています。

ただし、特殊な装置を付ければ可能であるともいわれています。

海底ケーブルの重要性が改めて再認識されているせいか、今年のアメリカ(U.S.A)のブリンケン国務長官が、NEC(日本電気株式会社)を訪れました。

信頼できるパートナーである日本の海底ケーブル技術を視察するためです。

バルト海での海底ケーブルの切断は、ロシアとウクライナの戦争が原因で、ロシア側の意図によって切断されている可能性があります。

中国が関与しているかどうかは不明ですが、その可能性はあります。

海底ケーブルの切断だけでなく、特にヨーロッパでは、これからよく原因がわからない破壊工作が続くことが予測されます。

ミサイルによる大きな攻撃ではなく、どこが仕掛けているかわからないような、破壊工作により、敵国を混乱させるという手段がとられることが予測されるのです。

このような、破壊工作から国を守るためにも、海底ケーブル技術やケーブルの保守は、国防にかかわる重要な課題となっているのです。