日本製鉄がアメリカ(U.S.A)のUSスチールの買収に乗り出していました。
生き残りをかけた選択ですからUSスチール側も乗り気だったようです。
ところがアメリカの鉄鋼業界は日本企業の買収に反対だったようで、各方面に圧力をかけていたようです。
国家安全保障上問題があるとして、CFIUS(対米外国投資委員会)で審査されていました。
結局、結論が出ず、バイデン大統領に判断が任されていたのです。
USスチール買収の競合相手であるクリーブランド・クリフスやUWS(全米鉄鋼労働組合)も日本製鉄の買収に反対の動きを強めていました。
特に、大統領選のキーであったペンシルベニア州は、USスチールのお膝元であり、バイデン大統領は、UWS(全米鉄鋼労働組合)の大統領選への協力を条件に、日本製鉄の買収を禁じるという密約があったのではないかと疑われています。
そのため、日本製鉄は、バイデン大統領を提訴しました。
バイデン大統領に、買収禁止への働きかけを行ったのではないかとされるクリーブランド・クリフスとUWS(全米鉄鋼労働組合)も同時に提訴しています。
日本鉄鋼側が結論を覆すには、時間も条件も不利な状況です。
そのせいもあってか、日本製鉄の役員はかなり感情的になっています。
安全保障上の理由ということに納得していないようです。
時間がないため、このまま買収断念ということになるかもしれませんが、次期大統領となるトランプ氏がの動きが気になります。
上手く時間が稼げればよいのですが、それも難しい状況です。
仮にトランプ氏に問題を持ち越せたとしても、トランプ氏はどうも自ら構想している関税障壁によって、これから利益が出そうなビジネスなのに、なぜ今売りたいのかと買収に反対の考えを持っているようです。
ただ、トランプ氏はもともとビジネスマンですので、日本製鉄がアメリカ側にメリットを提示できれば、コロッと結論を変えるかもしれません。
日本製鉄側の数少ない好材料は、USスチールが買収を嫌がっておらず、原告に加わってくれていることぐらいでしょうか。