日本銀行が、金融政策決定会合で追加の利上げを見送りました。

これまでも、日銀は、植田総裁でなくても、先行きが怪しい時は、様子見というのが相場だったように思います。

ただ、今回の追加利上げの見送りは、妥当な判断ではないかと思います。

理由は、アメリカ(U.S.A)のトランプ政権が関税障壁を、現在一時的に停止していますが、そのうち発動することが目に見えているからです。

現在、ドルは、相対的にドル高です。

関税障壁が設けられれば、海外企業はアメリカに製品を輸出しづらくなります。

言い方を換えれば、アメリカ国民は海外製品を購入しづらくなります。

しかし、為替がドル高だと、本来輸入品は買いやすい状態です。

つまり、海外製品を本来は安く買えるのはずなのに、トランプ大統領の政策により、買えない状態ということが、はっきりするのです。

残念ながら、アメリカの関税障壁をすぐに取り止めさせることは難しそうです。

しかし、ドル高が続き、輸入品は買いにくく、自国の輸出品は売れにくい状態が維持されれば、トランプ政権の経済政策は破綻します。

そのためのカードとしても日本の金利は現状にとどめ、ドル安の誘導要因を抑制しておく必要があると思うのです。

日本の国内経済のためには追加利上げと行きたいところですが、関税障壁という大きな壁のために、今は我慢といったところでしょうか。

トランプ氏の経済政策が破綻した場合、普通であれば政治的にも失脚します。

しかし、刑事事件での往生際の悪さを考えても、すんなり辞任するとは思えません。

その点でも、なぜアメリカ国民がトランプ氏を大統領に選んでしまったのか理解に苦しみます。

可能性は低そうですが、仮にトランプ大統領が任期中に辞任した場合は、副大統領が大統領の仕事を引き継ぐことになります。