アメリカ(U.S.A)のワシントンで、日米関税協議がありました。

石破総理の命を受けた赤沢亮正経済再生担当大臣が2度目の訪米をしました。

日本側は、アメリカに一定の手柄を立てさせるプランをパッケージとして用意していたはずですが、どうもアメリカ側はそれでは納得していないようです。

そもそも関税交渉の対象自体にズレが生じていたようです。

コメや自動車、鉄やアルミといった分野別の関税も交渉の対象に含めたい日本に対して、アメリカはこれらを除外して相互関税について協議を進める意向だったようです。

もともと、時間のない交渉ですので、突っ込んだ内容まで決めることは難しく、担当者を特定したり、交渉分野が浮かび上がるだけでも、よしとしなければならないのではないかと思います。

外交経験が少なく交渉担当者として不安視されていた赤沢経済再生担当大臣ですが、変に妥協して言質をとられたり、自信満々で強気に出て交渉の余地を狭めてしまうより良かったかもしれません。

どうもアメリカは、防衛問題や為替の問題を除外するだけでなく、取引対象についても分野を限定して、それぞれの分野で有利な条件を引き出そうとしているようです。

パッケージでの交渉で、大きな妥協の余地を残してしまうよりも、各分野の成果を積み重ね、全体で大きな成果をアピールしようとしているのだと思います。

こういう相手には、好条件をちらつかせておいて、交渉を引き延ばしたっていいと思います。

関税が発動されれば、日本企業にもダメージが出てしまいますが、少々アメリカに有利な条件を呑んだとしても、何らかの形で関税はかけてきます。

だとしたら、当面あまり中身はないがトランプ大統領お得意のアピールで、成果のように表現できる材料を提供し、後で実務レベルの交渉では決して有利ではない結果になるような交渉をしても気にする必要はないのではないでしょうか。

相手が交渉の対象を絞ろうとしようが、様々な手段を使って抵抗してよいのだと思います。

いちいちプロセスを公表したら問題ですが、日本が保有するアメリカ国債を売ったっていいのだと思います。

売った結果、トランプ大統領と仲の悪いFRB(連邦準備制度理事会)のパウェル議長が金利を上げざるを得なくなっても、それはアメリカの自由です。

アメリカの金利が上がった結果、ドル高になっても日本が知ったことではありません。

ドル高になるとどうなるかは、前回の記事をお読みください。