昨日、インド(インド共和国)とパキスタン(パキスタン・イスラム共和国)との関係が緊迫しているという記事を書きました。
その中で、アメリカ(U.S.A)はインドを支持し、パキスタンは、イラン(イラン・イスラム共和国)やロシア(ロシア連邦)、中国(中華人民共和国)に協力を要請する可能性があると書きました。
今日はこれに関連した記事を書こうと思います。
まず、パキスタンとロシアですが、インドは、アメリカともロシアとも外交関係があるので、パキスタンからの要請があっても、ロシアは、すんなりパキスタン側に付くというわけにもいかないのではないかと思います。
対米関係を意識して、裏で武器支援を行う可能性はありますが、明るみに出ればインドが黙っていないでしょう。
となると頼りはイランか中国ということになります。
イランは、同じイスラム圏ですので、パキスタンを支援する可能性はあります。
ただ、イランについても、アメリカとの関係が微妙になってきています。
イスラエルが、イランの核開発関連施設の空爆を示唆しているからです。
これを制止しているのがアメリカです。
そのこともあってか、少し前に紅海上で、イエメンの親イラン武装勢力フーシ派が、アメリカの船舶に攻撃を加えたとして、アメリカがイエメンを空爆して中東の緊張状態が高まっていました。
しかし、現在はオマーン(オマーン国)の仲介で停戦合意に至っています。
どういう話し合いが行われたか、明らかになっていないため、推測になりますが、イスラエルのイランへの空爆を制止しているアメリカに、そのまま空爆を制止させるために、これ以上敵対する意図がないことを示すため、イランが、イエメンの親イラン武装勢力フーシ派に停戦合意を促した可能性があるのです。
これにより、イエメンのフーシ派は、紅海などを航行する国際商船を攻撃しないことを約束し、アメリカは空爆を停止すると発表しました。
そのため、パキスタンが協力を求めても、イランが全面支援というわけにもいかない気がします。
となると、次は中国ですが、地理的にはパキスタンと接している地域が少ないように思えますが、中国の一帯一路構想により、関係が深いとも言えます。
しかし、今回のインドの攻撃に対して、中国は、あらゆる形のテロに反対すると、パキスタンを牽制しつつ、インドにも自制を求め空爆へ遺憾の意を示しています。
ということは、パキスタンが孤軍奮闘で、劣勢になるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、それがかえって危険なのではないかと思うのです。
これに加え、インドが、上流でダムの水をせき止め、インダス川の水を止めるとパキスタンに圧力をかけていることが、更に事態を悪化させてしまう可能性があるのです。
インダス川は、インド西北部を流れ、パキスタンのほぼ中央を流れています。
パキスタンは、もともと暑いうえ、昨今の温暖化で、インダス川の水を止められるのは死活問題です。
すでにインドが一時インダス川の水をせき止めたという情報もあります。
軍事的孤立に加え、インダス川の水を止められると、本当にパキスタンがインドを核攻撃をする可能性が出てきます。
インドにはパキスタンを追い込ませないように自制を求め、友好国からはなだめ、アメリカからは圧力をかけてでも、インドとパキスタンを懐柔する他なさそうです。