アメリカ(U.S.A)のトランプ大統領が関税障壁を設けると言い出してから、世界各国が自国に有利な条件を引き出そうと、いろいろ頭を悩ませています。

日本もパッケージでの交渉に持ち込み、関税撤廃と行きたいところでしたが、アメリカは個別の交渉を行い簡単には関税の撤廃や引き下げには応じてくれそうにありません。

個別の交渉の内容として、日本の主力産業である自動車について、逆輸入という案が浮上しています。

トランプ大統領は、世界の企業にアメリカでの活動を誘致したいわけですから、日本の自動車メーカーがアメリカで生産し、日本に輸入というのも交渉のカードとしては有効だと思います。

現在、エネルギーについても、天然ガスを輸入し、その代わり、アメリカが輸出するための船を、日本が造るという案も出ています。

この発想を自動車にも持ち込み、日本の自動車メーカーが船を調達するのではなく、アメリカに船を所有してもらい、その船を使って輸入するというのも面白いかもしれません。

もちろん、船は日本で造らせてもらいます。

アメリカの所有が無理でも、日本の自動車メーカーが船を調達するのに補助金をアメリカ政府に作ってもらうなどでもよいと思います。

アメリカでは、現在、造船技術が衰えてきていて、日本は依然として高い技術力を持っています。

単に、関税をかけられたり、生産拠点を海外に移すのではなく、そのぐらいのディールを提案してもよさそうです。

さらに、関税がかけられれば、トランプ関税に苦しめられるのは自動車業界に限りませんので、為替やドル建ての取引に、金融業界も新たな仕組みを考えてもよいと思います。

為替が変動すれば大きく利益が変わってしまうのが貿易にかかわる業界ですから、これまでもオプション取引など様々な金融の工夫はあったと思います。

ただ、今はトランプ大統領という大きなリスクが世界に生じてしまったので、このリスクを回避するためにも、現在、家庭の消費に導入されている電子決済と同じように、企業が、電子取引、電子決済を通じて、為替やドル建ての取引で収益を上げられるような仕組みを、金融業界に知恵を絞ってもらって、新たに作るというのもよさそうです。

電子的な金融の仕組みを考えれば、円高になったら円建てでの取引に、ドル高ならドル建ての取引に、ドルを円で引き出したり、円をドルで引き出したりするのを格安の手数料できるシステムが造れそうな気がします。

もちろん相手との契約があってのことになりますが。

通貨の壁を超えるような金融の仕組みです。

ただ、ここでもドルが主力商品でもあるアメリカの壁が立ちはだかることになると思います。