昨日、「ディープな底の存在」という記事を書きました。

その中で、小泉進次郎農林水産大臣が、備蓄米の放出について随意契約を言い出せたのは、農水族の森山裕幹事長が、それを了承したからではないかということを書きました。

そのうえで、農協との関係がありながら、なぜ森山幹事長が随意契約を了承したかといえば、財務省がGOサインを出したからではないかということも書きました。

これについて、GOサインを出すとすれば、農林水産省で、財務省ではないのではないかと思う方もいらっしゃると思います。

もちろん、備蓄米の管理について所管しているのは、農林水産省です。

一次的には、備蓄米に関する決定を行うのは農林水産省なのですが、備蓄米は国有財産なのです。

国有財産を増やしたり、減らしたりすることを農林水産省だけで決めることはできないのです。

結局、農水行政として農林水産省が備蓄米の量を増やすとか、備蓄しているお米を放出するという場面では、農林水産省は財務省にもお伺いを立てなければならないのです。

これは、農林水産省の元職員だった人間も認めていることです。

税金の使い途である予算の配分だけでなく、このように他の省庁の決定にも関与し、実質的な決定権を握っている財務省には権力が集中しているわけです。

この権力を強化するには、財源を税金に限定しておく必要があるので、政治家の中でも、緊縮財政派は財務省に歓迎され、税金を重視せずに国債の発行で財政発動を考える積極財政派は、財務省の権力を削ぐことになるので、嫌われることになるのです。

与党にとって代われる野党側のメンバーをシャドーキャビネット(影の内閣)といいますが、日本では立憲民主党のように野党であっても財務省には逆らえません。

日本のシャドーキャビネットは、財務省といっても言い過ぎではないくらい権限が強いのです。

このようなことに気づいてしまった人が、今財務省の解体論を唱えているという状況なのだと思います。