成年後見制度が見直されようとしています。
制度の法改正が検討されているのです。
利用者が伸び悩んでいることも大きな理由の1つです。
成年後見制度は、制限行為能力制度のうちの1つのです。
その名のとおり、これまでは、成年被後見人となる人の能力に着目する部分が大きかったわけです。
成年後見制度は、典型的なケースとしては、判断能力が低下してしまっているために、財産を浪費してしまう人などを想定しいる制度です。
成年被後見人には、成年後見人が選任され、成年被後見人に代わって財産を管理します。
制限行為能力者の能力に着目した制度であるため、例えば相続時の遺産分割などで、成年後見制度を利用しても、相続問題が解決後も、成年後見人に報酬を支払い続けなければならないため、利用を敬遠する人もいました。
更に、成年後見人には、弁護士や司法書士、行政書士などが選任されることが多いですが、横領などの事件が、たまに起こっていることも、利用しようとする人にとって、制度に対する不安が残るのではないかと思います。
高齢化社会が進み、ますます認知症になる人が多くなることが予測される現在、制度の見直しが検討されています。
法制審議会の部会で、これまでのように、本人の能力が回復した場合以外に、制度の利用目的に応じて、目的を終えた後などに、必要性がなくなったと判断された場合には、成年後見を終了できるようにする中間試案が検討されています。
いわば、本人の能力に着目した制度から、能力に軸足を置きつつも、制度利用の目的に応じた制度利用が可能なように改正しようとしているのです。
利用者が少ない制度というのも、存在意義があまりないように思いますので、必要な人にとって利用しやすく改正されるのは歓迎すべきではないかと思います。
あとは、成年後見人となり、財産を管理する側の人間のモラルの問題が、大きな問題として残るのではないかと思います。