昨日、東京の山手線の車両内で、モバイルバッテリーが発火するという事故がありました。
このモバイルバッテリーは、リチウムイオン電池で、中国製の製品でした。
昨年リコールの対象になっていたことがわかりました。
リチウムイオン電池は、単純化すると、電極にリチウムを用いて、正極と負極の間をセパレーターで仕切り、間を電解液で満たしたものです。
電極のリチウムイオンが電解液を行ったり来たり、移動することで、充電と放電を繰り返せる仕組みです。
衝撃を与えると、間にあるセパレーターが破損し、正極側の物質と負極側の物質が混ざり合ってしまうことがあるため、発火の原因になるのです。
今回も、モバイルバッテリーが熱くなり、充電コードを外したところ、モバイルバッテリーを床に落としてしまい発火したそうです。
暑い季節ですので、落下の衝撃だけでなく、熱でセパレーターがダメージを受ける可能性もあります。
モバイルバッテリーに限らず、安い製品を探したくなる気持ちは十分にわかります。
ただ、安全性という点では、耐久試験などを行った製品でないと不安が残ります。
製品開発時にそのような試験を行って開発製品は当然コストアップにつながり、製品の値段に跳ね返ります。
ただ、安全に使用するということを考えると、値段だけでなく、安全性も含めて問題のない製品を選びたいものです。
また、製品に問題がなくても、有線の場合は、正しくコードが接続されず、ワイヤレス充電では、正しい位置に機器が装着できていないと、正常な電気の流れが生まれず、発熱することがあります。
発熱や膨張も、やがて発火につながる場合がありますので、ご注意ください。