富山県の富山市にある城址公園で、今年6月から7月にかけて、鳥のサギが100羽以上死んでいるのが見つかりました。
有害物質の発生などの疑いもあり原因の究明が急がれていました。
市の調査で、周辺に集まるサギを追い払おうと樹木を伐採したことが原因だったことがわかりました。
市の公園管理課によると、3年ほど前から、城址公園の期にサギが巣を作り、春から夏にかけて子育てをしていたそうです。
市民からフンや騒音の苦情が寄せられたため、巣を作る場所を減らせば、他の場所へ移るのではないかと考えたようです。
木が伐採されたことにより巣を失い、エサが十分に取れなくなったため、大量死につながったということです。
市は、「市民に不安を抱かせ、野生生物を愛する方に悲しい思いをさせた」と謝罪しています。
鳥害を放置するわけにもいかず、対策をとっても効果が薄いことの方が多いような気もしますので、木の伐採というのは、ありえない手段ではなかったのではないかと思います。
ただ、これだけの大量死を招くことは避けなければなりません。
クマの被害に限らず、人間に都合の良い住環境を整えても、野生生物との共生が難しい状態になってきているのだと思います。
一説によれば、手つかずの自然と、人間の住む街の中間に存在する里山の減少が、一因ではないかといわれています。
まったくの自然ではないけれども、ほどよく人間に手入れされた森林の存在が緩衝の役割を果たしていたのです。
ただ、空を飛ぶ鳥の場合は、それもお構いなしだと思いますので、巣作りできる樹木や生態系がもろに影響してくるのだと思います。