先の戦争時に、山口県の宇部市にある長生炭鉱で、崩落事故がありました。
通常、崩落事故というと坑内の天井や壁が崩れるということになりますが、長生炭鉱の場合、海側へと炭鉱が伸びていたため、海水が流れ込んでしまったのです。
水没してしまったため坑道ごと放棄されてしまいました。
犠牲者には日本人もいましたが、犠牲者の約4分の3程は朝鮮半島から連れてこられて強制労働させられていた人達でした。
このような経緯からすれば、本来、遺骨を収集するのは政府が行うべきことといってよいと思います。
しかし日本政府が何もしないため、事故に責任のある日本人が何とかしないとということで、在日朝鮮人ではない日本人が中心になって、遺骨収集に向けた調査が行われていました。
今年の冬には、朝鮮半島から遺族も呼び、ダイバーが潜って調査を行いましたが、思ったより現場の状況が悪く、何も見つけられないまま調査を終えていました。
その後も、クラウドファンディングなどで資金を募り、再び調査が行われ、今回遺骨が発見されました。
日本政府としては、朝鮮半島との関係については、すでに政治決着がついているということなのだと思いますが、それならそれで何もしなくてよいということにはなりません。
特に日本国内で起きた事故ですから、早期にできることを行い、謝罪すべきだと思います。
政府が藪蛇と考えるのは、想像がつきますが、できることをせずに解決済みと言っても説得力がないし、不信感を買うだけだと思います。