福岡県の私立認可保育所で、保育士10人が、園児を殴ったり、無理に口に食べ物を押し込んだりする虐待をしていたことがわかりました。
福岡県は、保育所を設置している社会福祉法人に改善勧告を出しました。
園長が気づき虐待の事実が発覚したようですが、園長も一緒になって虐待していなかったことが唯一の救いかもしれません。
小学校や中学校でも教員による盗撮などの被害が報告されており、子供の数が減り、以前より職員の数も減っているはずなのですが、事件は逆に増えているように感じます。
結局、現場で働く人間の間にも、コスト面のスケールメリットとは違った、競争力のようなものが必要なのかもしれません。
必要な職員の数が減ることにより、志望者も減り、競争が減ることにより、質が落ちている面はあると思います。
ただ、それだけでは片づけられない部分もあるともいます。
自分の意思もうまく表現できそうにない年齢の園児に対しても虐待が行われていたからです。
自分の思いどおりにならないと、相手が弱者でも感情をぶつけようとする、子供のそばに最もいてはいけないタイプの人が、子供のそばにいることになっているように思います。
こういうタイプの人には、弱者を守ろうとする眼差しが感じられません。
弱者のそばにいる人には、知識だけでなく、精神的な許容力についても、選考の基準にしなければならないのではないかと思います。
もっとも、選考するだけの応募者の数が確保できないという事情もあるのかもしれません。
子供に対する不寛容は、高齢化社会を迎え、そのまま老人に対する不寛容につながっていくと思います。

