人間が生きていくうえで、五感はとても大切です。

中でも最近話題に上ることが多いのが嗅覚です。

新型コロナウィルスなどの後遺症で、嗅覚が落ちたり、ほぼなくなってしなう人もいます。

嫌な臭いを感じなくなるというとマイナスばかりではないようにも思えますが、人間に備わっている機能ですから、嗅覚は、食べて駄目な物か、不衛生な状態かを判断するうえでも大切な感覚です。

味覚についても、少なからず嗅覚に依存しているということが言われています。

嗅覚の機能が働かない場合、大きく3つに分けられるようです。

まず、1鼻炎や副鼻腔炎などにより、臭いの原因となる物質が、そもそも嗅覚器官に届かない場合です。

次に、2臭いの原因が嗅覚器官に届いているけれども神経性の嗅覚障害により、臭いが感知できない場合です。

更に、3臭いの原因が嗅覚器官に届き感知できているが、何の臭いか判別できない場合です。

最近この3つ目の、臭いの種類を判別できるか、できないかを調べることにより、アルツハイマーなどの病気にかかっているか検査する方法が注目されています。

しかし、今見てきたように、2のケースである新型コロナウィルスの後遺症などにより、臭いが感知できていないと、感知できていないから臭いがわからないのか、3のケースである認知症などの症状により臭いがわからなくなっているのか、嗅覚検査をしてもわからなくなるということも考えられます。

総入れ歯になると、嚙む刺激が脳に伝わりにくくなるため、認知症の症状が進むケースがあるといわれていますが、臭いが判別できなくなることにより、認知症の症状が進むということも考えられます。

日常生活を普通に送るためにも、動物としての人間の感覚としても、五感をなるべく維持できるようにするに越したことはありません。